ご家族など身近な方が自死を選ばれた時、ご遺族の方々には、とても言葉では表せないほどの強い衝撃や深い喪失感、「なぜ」という思い、自責の念、周囲への恥の意識など、さまざまな傷つきと強烈な感情が生まれます。
そして、これらの傷つきや強い感情は「時間が経てば、やがて薄れていくもの」では、ありません。これは、このサイトでも公表している通り、私自身が家族を自死で亡くしており、自死遺族として生きてきたからこそ、身をもって感じ、理解していることでもあります。
家族や親しい人の自死を受け入れ、認めていくには、必ず、周囲の人々、そして【専門家(カウンセラー等)】のサポートが必要です。
心は神経系を通じて身体と密接なつながりを持っていますから、強い衝撃や感情は、当然、身体にも影響を及ぼします。さらに自死された方との関係性から、遺された1人1人の状態も変化していきます。
自死遺族の方と一緒に家系図を作ってみると、自死を選ばれた方が、1人ではないことも少なくありません。このことは、おひとりの自死が家族や親族に与える影響を物語っています。
また、大切な方を自死で亡くしてしまう関係性は、親と子、きょうだい、パートナー、恋人、友人、仲間、職場の同僚や先輩後輩など、さまざまな立場から心に受ける影響は違ってきます。「家族じゃないから公に悲しめない」という思いがあると、悲しみに無理にふたをすることにもなります。
心理の世界では「1人の自死に対し、最低でもその方のまわりにいらした6人(の親しい方)へのサポートが必要」とされていますが、残念ながら、この日本においてはまだまだ専門的なカウンセリングが「日常的に必要なもの」という意識が高まっておらず、ご遺族の方の自責の念や恥の意識も手伝って、サポートにつながりにくいのが現状です。
もし、ご自身が、大切な方の自死を経験されたという方は、専門家に繋がることをおすすめします。また、身近にそういった方がおられる場合も情報としてお伝えくださると幸いです。
私自身が自死遺族として歩んでいる1人として、私も専門家に繋がって、自分自身とも向き合うことができました。「たくさんの感情が湧いて当然だ」と理解できて、前に進む準備ができました。
この記事が、必要な方に届きますように。
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